現実以上の未来は訪れない
33歳、女性、独身。
現在は地元で事務職をやっている。
北海道で生まれ、北海道で育つ。
両親と兄が二人の五人家族。
中学1年生。一番上の兄は大学進学のため家を出る。
歳が離れていたせいか、兄が自立していたからか。寂しさはなかった。
母と、父と、2番目の兄と、私の四人家族になった。
高校2年生。2番目の兄が大学進学のため家を出る。
母と、父と、私の三人家族になった。
高校時代、部活に勉強に年中悩んでいた私の心の支えになってくれた兄。
歳が近く、幼少期からたくさん遊び、たくさん喧嘩した。
少し寂しかった。
高校3年生。
極度の寂しがり屋で、私と友達のように仲の良かった母。
ジャニーズ好きな私たちは、たくさんヲタ話をした。
私は管理栄養士養成課程のある大学へ進学するため家を出た。
母と父の二人家族になった。
私は家族が好きだった。
大学1年生の夏。実家に帰省する。
母の姿を見て驚いた。
ピークで80㎏ほどあった体重は、70㎏をきっていた。
食べるスピードはおばあちゃんのよう。
動きもゆっくりになり、元気もなかった。
心配でたまらなかった。
当時の私はサークルにも入っていなかったため、
バイトに明け暮れ、お金にも時間にも余裕ができた。
ジャニヲタに拍車がかかった。
当時Jr.担だった私は、初めて自担に会う。
とても近くて、まぶしくて、かっこよかった。
ヲタ活を自由にできる環境にいたかったため、
母のことは心配だったが、大学を卒業しても地元に戻る気はなかった。
大学2年生。
2番目の兄が大学を中退し、実家に戻った。
母と、父と、兄の三人家族。
母のことを思うと、少し安心した。
大学4年生。
就活。国家試験。
元々栄養士になるつもりのなかった私は、一般企業を志望。
夢も希望もない私。口下手で不愛想な私。
なかなかうまくいかなかった。
手あたり次第に面接に行き、最後の一つでやっと内定をもらった。
希望していた企業はすべてダメだったが、
家族や友人をはじめたくさんの人が祝福してくれた。
その時、私は母に言った。
30過ぎても結婚できなかったら、実家に戻ってお母さんたちとまた暮らすね。
大学卒業時点で、私は男性と交際したことが一度もなかった。
ジャニヲタだったこともあり、22歳にして結婚はあきらめていた。
就職し、素敵な出会いがあるだろうと、一縷の希望を持っていた。
そして、現在。
ちゃんと恋愛をしてこなかった自分に、結婚など甘かった。
男性との距離感がわからない私には、ダメだったようだ。
10年間務めた会社を退職し、32の時、地元に戻った。
中学の友人、高校の友人、部活の仲間。
みな結婚し、今度3人目が生まれる友人も。
そんな現実を突き付けられながら、
33歳の今、母と、父と、独身の二番目の兄と、私の四人家族。
中学1年生から五年間過ごした、四人。
一番上の兄は結婚し、今度子どもが生まれる。
この先、家族五人が揃うことはないのだろうかと思っていたあの時。
奥さんを連れて、年に一度、実家に帰ってくる兄。
今度は、新しい家族を連れて、五人が揃う。
結婚はできずとも、こんな幸せがあるのなら、
このままでもいいかなと思う。
このブログを書いているのは、大学2年生。
大学2年生までの話は事実だが、それ以降は私の未来予想図。
水曜22時ドラマ、東京タラレバ娘を見て、
30になっても結婚できていない自分が容易に想像でき、
日々絶望中のなか決意したこと。
30過ぎても結婚できなかったら、実家に戻ろう。そしてまた、家族と暮らそう。
そう思い、このブログを書いた。
10年後の自分への手紙のつもりで。
きっとこうなっているんだろうな。現実なんてこんなもんだ。
と言いつつ、アラサーでタラレバ言って後悔しないように
苦手な合コンにも行くべきなのかと思ったり。
要するにタラレバおもしろい。
・・・という下書きを、5年後の2022年2月の今読み返して、とても震えている。
だって25歳の今、ほぼ書いてある通りに人生が進んでいるから。
就活はやはりうまくいかず、一番最後に受けたところで、結局栄養士として働いている(ほぼ事務職みたいなものだが)。
彼氏だっていまだにできたことがない。
この下書きを書いてからの私の人生を思い返すと、
合コン、街コン、相席屋、マッチングアプリなど様々なものに挑戦していた。
が、恋愛経験がゼロの私にはどれも難易度が高く、想像のとおりすべて失敗に終わっている。
20代の折り返し地点にいる今、結婚は絶望的であることに変わりはない。
そもそも結婚願望はあるのかと問われれば、自信をもってイエスとは言えないのだが。
結婚はできずとも、一度でいいから恋人がほしい。今はそんな思いが強い。
だけど今はもう、恋人もできず、そのまま独身で生きていく可能性の方が非常に高いので、独身ということを前提にした人生設計をしている。
この5年前の下書きを見て思ったことは、
現実以上の未来は訪れず、人生は想像したとおりにしかならないのだということ。
オリンピック選手でもない限り、劇的な未来なんて一般人には訪れないのだということ。(勿論、彼らは一般人には想像できないほどの努力を積み重ね、その上での結果だということは重々承知している。)
結局自分は自分でしかなくて、今の連続が未来なだけであって、
違う人生を歩みたいのならそれなりの努力は必要、ただそれだけのことだ。
それができないうちは変わらない。
想像通り、33歳独身女になるだけだ。
私は頑張れるのだろうか。
人生を変えるために、行動できるのだろうか。
また5年後、同じようなことを書いているんだろうな。
この先未来が大きくひっくり返ることはない。
人の人生なんて、そんなもんだ。